こんにちはstelliterです。
今日は巷でよく言われる
「手打ちはダメ」
という認識についてです。
それではいってみましょう
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目次
- <手打ちとは>
- <フェデラーも手打ちか?>
- <手打ちはなぜ指摘されてしまうのか>
- <手打ちにもメリットは?>
- <改善方法:まずは数を打つ>
- <筋トレをして「手打ち→腕打ち」に改善しよう>
- <運動連鎖の鉄人フェデラー>
- <ちなみに>
- <まとめ>
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<手打ちとは>
あらかじめ:今回の記事ではフォアハンドをベースに考えていますが、他のショットにも反映されることとご理解ください。
「体を使って打っていない」
「腕だけで振っている」
などと表現されます。
一番悪く見えるのは腕だけではなく、ひじから先の前腕だけで打ってしまっているような状態でしょうか。
これを指摘されて改善しようとする際に
- 「体をもって使って」
- 「下半身の力を利用して」
- 「一度横向きを作ってから前を向いて振り出しましょう」
という風に指導されますよね。
大いに結構な指導だと思います。
しかしそれだけが安定して、いいボールを打てるということにはなりません。
<フェデラーも手打ちか?>
動画の比較です。
20年前のスペインのキング、モヤ選手のフォアハンド
これが体を使って打つ、、ということになるんですかね。彼の最大の武器でした。
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ではこちら、”史上最高のテニスプレーヤー”フェデラーのフォアハンド
開始から2分30秒あたりまでのフェデラー、どうでしょう。
これって手打ちに見えませんか
では両プレーヤーのフォアハンドどちらがすごいのか??
どっちもスゴイです(笑)
でも世界的評価はどうですか?
言わずもがなです、、フェデラーでしょう。
<手打ちはなぜ指摘されてしまうのか>
(威力がでない)
確かにこれはあります。
ボールはただ飛ばせばいいものではありません。
(コントロールがよくない)
特に初心者のうちはこれが一番大きいんじゃないでしょうか。
威力がでないところにボールを飛ばそうとすると、余計にコントロールが悪くなります。
(見た目が悪い(笑))
まあこれはそのうち洗練されてきます。後述しますね。
<手打ちにもメリットは?>
もちろん手打ちにもメリットはあります。それは以下の二つと考えます。
(緊急事態に強い)
トッププロの試合は緊急事態がとても多いです。
リターンの時などは特にそうですが、十分な体勢で打たせてもらえない場面では、どうしても体はボールに追いつくのが精いっぱい。
ちょっと遠い、ちょっと近づきすぎなどいろいろな状況でボールを打たされることになります。
そういう時には必然的に手、、というか腕でラケットを操作してボールを打つことを迫られるわけです。
(使い方によって安定する)
パワーが出にくい面は否定しませんが、その「余計なことをしない」という可動域の少ない面を利用するんです。
最近のラケットは非常にパワフルでスピンもよくかかります。そういう最近の道具の特性も大いに利用すべきですよね。
<改善方法:まずは数を打つ>
まずはいろんなボールを、そして数を打ちましょう。
いろんなボールに対応していくには経験値が必要です。数を打たなければいけないということですね。
手打ちであることが大きく変わることはないとしても、どうしたって初心者の頃のフォームではなくなってきます。
洗練されてくるんです。
下手に体の使い方とか足の屈伸とか考えずにまずは数を打ってください。
<筋トレをして「手打ち→腕打ち」に改善しよう>
(腕力を鍛えましょう)
ここは非常に大事です。とても好きなジャンルです(笑)
まず腕力があることは大前提となります。
とかくテニスは体幹や足腰の重要性ばかりが取り上げられ、
「足ニス」
なんて言葉もあるくらいです。
もちろんそれは大事なんですが、手や腕の力も非常に重要です。
腕を大きく振る必要があるから、それを支える体幹と脚力が必要なのだという方向性もぜひご一考ください。
トッププロはそこまで筋骨隆々ではなくとも、やはりスゴイ腕力なんです。
まあでもナダルの腕は、、、見た目もすごいですよね(笑)
(腕力でラケットを大きく振って打ちましょう)
「腕打ち」ですね。
前述の動画のフェデラーとモヤ、、体の向きや開きが異なるだけで、腕の動き自体はそんなに変わらないと思いませんか?
要は肩を支点に腕を大きく振れて、尚且つ安定するならそれで成立します。
ということは必ず
「力を入れる」
ということも必要です。リラックスしまくってフラフラとラケットを振っているようではとても安定などしませんから。
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下記の2つはとても参考になりますよ。
いつも勉強させていただいている、松原コーチといなちん先生の登場です。
特に松原コーチの「腕打ち理論」は、脱力やリラックスばかりにスポットが当たる昨今のテニス指導からすると、とても画期的ですよ(松原コーチはずいぶん前からこのように指導されています)
(そして体幹も鍛えましょう)
腕を大きく振る体を支えられなければなりませんからね。体幹の強さ、足腰の強化は避けて通れません。
そして長い時間その筋力を支え続けられなければいけません。
<運動連鎖の鉄人フェデラー>
ところでフェデラーってそんなにスゴイ体してるわけでもないし、腕なんてプロの中じゃむしろ細いほう。それでなんであんなに一見手打ちに見えるのに、ものすごいボールを打てるのか。
それはとにかく
- 「脱力・リラックスできている」
- 「抜群のタイミングでボールを捌く」
- 「運動連鎖ができあがりまくっている」
この三つでしょうか
リラックスすることによってラケットスピードが上がることはもう説明の必要がないと思いますので省きます。
今回の手打ちの改善である、腕に力を入れて腕力で打つということの真逆をいっていますが、どうしてあんなに安定するのか。
それはフェデラーが
「世紀の大天才」
だからです。ほかの誰も真似できません。
そしてタイミングです。相手のボールの力を利用してかつ一番力の入る絶妙な打点に入って打つことで、あの世界最高のフォアハンドは成立しています。
最後の運動連鎖ですが、フェデラーはフォアハンドを打つにおいて最初から最後までの運動連鎖の調整に類まれなる才能を秘めているんですね。
体重移動や身体全体に発生する回転の力を最終的に腕やラケットに伝える能力と言い換えられます。
過剰に大きな動きを必要とせず、あの一見手打ちなフォアハンドで世界中のプレーヤーをまったく寄せ付けませんでした。
まあマジ打ちしたときはこんなにダイナミックですけど
<ちなみに>
海外では「手打ち」
という概念がないそうです。
「手だけで打ってるぞ!」
という指摘はしないんでしょうね。
前述の動画の中でいなちん先生がおっしゃっています。
<まとめ>
- 手打ちでもメリットはある
- 数を多く打ってくれば洗練されてくる
- 緊急時対応ならプロでも手打ちになる
- 手打ちを腕打ちに変えて腕だけでスイング
- リラックスせずに腕に力を入れる
- 腕力も鍛える
今はまだ手で打ってるようでも、洗練されてきます。
あせらずじっくり、、そして腕力でラケットを振っていきましょう
次回以降は「手打ち」から「腕打ち」に名称を統合し少しまた記事にさせていただきたいと考えております。
最後までお読みいただきありがとうございました。