こんにちはstelliterです。
今日は一昨日全日程を終えた全仏オープンつながりで、もう一つだけ記事にさせて頂きました。
非常に大好きな『ある選手』についてのお話です。
それではいってみましょう。
❝全仏でナダルに勝ったもう一人の男❞
全仏オープン決勝が終わりテニス界はまたも
『やっぱナダルはスゴイ!!』
『クレーキングはクレーキングだ!』
ともっぱらの盛り上がり(私もその一人💦)
これで通算100勝2敗という〇チガイじみた全仏での戦績。
紹介されるたびにその偉大さ、もはや語るまでもありませんね。
でその2敗についてもかなり各紙において触れられています。
うち1敗は2015年、キャリアでも最高の年となったジョコビッチがかたや絶不調期まっしぐらのナダルに全仏で2度目の土をつけました。
さてではもう一つ。その記念すべき(?)全仏で最初にナダルを破ったのはこの人
『ロビン・ソダーリン』
このイカつい人、、皆さんご存じですかね。
スウェーデンが生んだブルータル(粗暴、荒々しいってな意味)テニスプレーヤーです。
私のブログ記事でも何度も登場、これほど胸を打つ選手はそうはいません。
ソダーリン自身は既に引退しています。
❝『ザ・ブルータル』:ロビン・ソダーリン❞
ロビン・ソダーリンという男
2001年プロ入りし、2004年にツアー初優勝。
その後着実に結果を残し2008年終了までにツアー3勝を挙げましたがそれほどパッとせず、ソダーリンは決して花のあるスター街道を歩んでいたわけではありませんでした。
そして衝撃の2009年、彼に転機が訪れます。
この年の全仏開催の約1か月前、ソダーリンはマスターズ1000ローマ大会にてナダルと対戦。
ここで1-6、0-6という見事な負けっぷりをさらします。
この頃は多少ムラッ気のあったソダーリン、完膚なきまでにナダルに叩きのめされました。
しかしその1か月後、彼は大仕事をやってのけます。
この年のナダルは年初の全豪に初優勝。クレーシーズンもマドリードでフェデラーにストップをかけられるまでは全くの負けなし。クレーキングの名のごとく、まさに破竹の勢いでした。
当然全仏でも優勝候補の最右翼。まあそこまで既に4連覇していたわけですから当然ですね。
ソダーリンとナダルは4回戦で激突しました。
直近での対戦結果は関係なく、もちろんナダル圧倒的有利と予想されていたのですが、ふたを開けてみればゲーム序盤からソダーリンがとにかく回り込めるボールはすべて回り込み、フォアハンドをこれでもかと打ち込む。
アンフォースドエラーなどお構いなしな気構えだったのでしょう、怖いもの知らずなソダーリンのフォアは決まりまくり、ナダルは劣勢に次ぐ劣勢。
第二セットをなんとかタイブレークで取るにとどまり、結果セットカウント3-1。
ソダーリンの『悪魔に魂を売り渡した』かのような鬼神の攻めにナダルは力尽き、連勝記録はついにストップ。初めて全仏の舞台で屈しました。
この大会、ソダーリンは決勝まで上りつめ、フェデラーに目の前でキャリアグランドスラム達成のお手伝い(笑)。
敗れはしたもののなんと全仏準優勝という素晴らしい活躍を見せました。
この年ATPファイナルのRRでも再びナダルを破ったソダーリン。
大飛躍を成し遂げ2009年を終えることとなりました。
❝期待された2010年以降、、そして突然のキャリア終焉❞
翌年の2010年も全仏で決勝に進出。ここでまたもナダルとの対戦。さすがにここはナダルに雪辱を晴らされましたが、2年連続準優勝。
この2010年はそのあとのウィンブルドンと全米でも上位進出を果たし、すっかりトップ10の常連入り。マスターズ1000大会において初タイトルも獲得し、最高位はなんとビッグ4の一角を崩す4位を記録するまでに成長したのです。
翌2011年も好調を維持。7月までに大きな大会も含む4大会に優勝。
このままいけばトップ3もあり得るかもというキャリア最盛期、、ソダーリンに悲劇が訪れます。
7月の優勝を最後に表舞台から姿を見せなくなりました。
伝染性単核球症を発症させたのです、、この時まだソダーリン27歳です。
病と闘いながらもツアー復帰を目指しましたが夢はかなわず、長い休養期間を経て2015年ついにソダーリンは引退を決意しました。
❝2009年全仏:ソダーリンの偉業❞
2009年全仏でのソダーリンは神懸る、、というよりまさに悪魔が乗り移ったかのようにセンセーショナルでした。
個人的意見というか世間の認識としても、ジョコビッチの2015年ナダル撃破は、
まあナダルがこの調子だし
といった当時の状況と、ジョコビッチのツアー支配ぶりを考えればまったくもって必然であったというべきです。
もともとジョコ自体もクレーは得意、これまで2012~2014年まで3年連続全仏でナダルに屈しているとはいえ、すべて接戦(特に2013年の準決勝はヤバかった)だったわけですから。
しかしソダーリンの2009年の偉業は先にも申した通り、テニス界におけるこの20年間の中でも屈指のビッグニュースでした。
あまり名の知られていないソダーリンとかいう輩のプレースタイルのイケイケぶり、、とにかく大砲フォア一発スタイル(実際にはサーブも強力、バックもそつない)であのナダルを全仏の舞台から弾き飛ばしたのです。
のち準決勝ではソダーリンはゴンザレスと対戦。
会場は人気者ゴンザレスに『ナダルの仇を!』と言わんばかりにものすごい大声援。
四面楚歌とはまさにこのこと、、ソダーリンは完全孤立状態で戦うこととなりました。
しかしここでソダーリン、ヒールとして完ぺきなまでのキャラクターぶりを発揮します。
ブーイングなどなんのその、、全く意に介さずベンチでは頭からすっぽりタオルをかぶり視界を覆って集中モード、そして常にふてぶてしい態度でコートイン。
ナダル戦同様、ボールをマッシブに潰しまくってゴンザレスもフルセットで退け堂々のグランドスラム初の決勝進出(多分4回戦すら初めてだったんじゃないかな)。
のちの決勝戦はフェデラーにいいところなくスト負け。
❝ベビーフェイスフェデラー❞とそのファンの溜飲を下げる立役者となりました。
❝ちょっと変わり者な一匹狼❞
ここまでを見ると、
なんとソダーリンってのはオラオラなやつなんだなぁ
と思いますよね。
実際に彼はキャリア初期のころなど、コート外でもあまり周りと仲良くすることなく一匹狼的存在だったようです。
過去の雑誌インタビュー(テニスマガジンだったかな・・)にて
『まわりと仲良くすることはいいことじゃない』
といったようなコメントを残していました。
ツアーで戦い、しのぎを削り合う者同士で必要以上に馴れ合うのは好みではなかったのでしょう。
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ちなみにソダーリン、、私は大好きな選手でいつも参考にしています。
ナダル戦は流石に愛するナダルを応援していましたが、そのプレースタイルはとても魅力的。
『破壊する』という表現がピッタリなソダーリンのテニス。
かといってめっちゃくちゃなフォームでなく非常に基本に忠実。
サーブが唯一『トスがめっちゃ高い』という特徴がありますが、本当にフォアハンドはお手本と言わざるを得ない完ぺきなスイングワークです。
どなたが見ても参考になりますよ。
このプラクティス動画、、何百回観たことか💦
❝現在のソダーリン❞
引退後、自身もテニス事業に乗り出し(確かストリングやボール販売じゃなかったかな?)、いろいろと活躍しているようです。
一時期は引退撤回して復帰??なんてうわさも一部報道されたようなんですが、さすがにそれは難しかったようです。
現役時代のコート上ではおっかない顔していましたが、その引退後のインタビューや後進の指導にあたっている動画を観ましたが非常に柔和な表情。
なかなかカワイイ笑顔の持ち主です😃
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もっと長く現役を続けていたら、、少なくともあと2,3年続けていたとして、どういった活躍を見せてくれたのだろうと本当に残念でならなかった、、それほどに魅力的な選手。
繰り返しになりますが、とにかく2009年全仏のソダーリンはヤバかった。
皆さんも是非動画で今一度ご覧ください。